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新法では、保有水平耐力計算において構造特性係数Dsを算出する際に、崩壊メカニズムが全体崩壊形とならず、不安定になっていない部分架構が存在する時は、それを何らかの方法で不安定となる状態を想定した上で、その時の応力をもって部材種別の判定をし、Ds値の算定をすることが示されています。
「BUILD.一貫IV+」におきまして、崩壊メカニズムが全体崩壊形となっていない場合の構造特性係数Dsの算出について、以下の2種類の計算方法を採用し拡張致しました。
【1.技術基準解説書による方法】
「2007年版 建築物の構造関係技術基準解説書」P365に示されている、「部分崩壊メカニズム時の応力分布と部材耐力をもとに判定する方法」を組み込みました。これは簡便な方法のためわかり易いのですが、未崩壊層の崩壊後の応力は節点での釣り合いが保てない欠点があります。
この不釣合いの応力を小さい範囲で使うために、大半(70%以上)の階で主要部材にヒンジが生じているということが使用条件になっています。なお、70%かどうかの判定はプログラムで自動認識ができませんので、ユーザーの皆さんの判断でご使用頂くことになります。
【2.外力分布の変更により全体崩壊形を導く方法】
現在、保有水平耐力時点とDs算定時点の崩壊形を、それぞれの変形値(層間変形角、塑性率)を指定することにより作り出す機能を備えておりますが、今回、さらに保有水平耐力算定時はAi分布を採用し、Ds算定時は全体崩壊形を導き出すための外力分布形を直接入力指定して作用させる処理を一連で行う機能を拡張いたしました。
何度か試行的に外力分布を変更することで目的とする全体崩壊形を作ることができます。
この拡張により、Dsの算定はAi分布にて行い、保有水平耐力の算定はQun分布にて行うことで、告示594号第4第二号に準拠した計算を行うことも可能になります。
また、この条件指定によって、全層においてDs・Fesが最大となる層と同等の必要保有水平耐力となってしまう矛盾を解消することができます(参考:「2007年版 建築物の構造関係技術基準解説書」P306)。
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