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■構造設計者のための技術情報


RC造で接合部破壊を許容してルート3で設計をする場合の問題点

2010年1月
関連製品名:BUILD.一貫IV+


Q.

RC造の接合部の検討で、NGを許容して、ルート3で設計する場合の問題点を教えて下さい。



A.

『架構の靭性を確保する為に、原則として柱・梁の接合部は破壊させてはならない』という大前提があります。これは柱・梁の降伏耐力までフルに発揮させて、それ以前の破壊をさせないという事です。

告示の中では『但し、当該接合部に接する上下階の柱の部材種別をFDとする場合にあってはこの限りではない。』とあります。

しかし、部材種別をFDとして脆性破壊だと考えると、保有水平耐力は接合部が破壊した時点がせん断破壊時点となり、保有水平耐力計算(Qu/Qun)は全く満足しません。

仮に鉛直支持破壊は無いとして計算を進めるにしても、接合部破壊の周りの梁・柱両端をヒンジとして耐力を落として順次崩壊形を探して決めることになります。

つまり、接合部破壊を許容してルート3で設計する場合、保有水平耐力の算定をどの時点とするかが決められません。また、もっと複雑な事として、直交方向においても、その接合部は破壊しているという問題があります。

適応ステップ数か適応限界層間変形角により、保有水平耐力の算定を決めた場合でも、接合部破壊での保有水平耐力は、梁降伏メカニズム時より前になっていますから、保有水平耐力は小さくなります。

このような問題がある為、仮定断面の段階で接合部の検討を考慮せずに、接合部破壊を許容して、保有水平耐力計算(Qu/Qun)を満足させることは非常に困難です。

接合部が非常に早期に破壊してしまうことが一番の問題ですので、接合部がある程度のレベルまで持つならば、部材種別をFDとして、破壊時点を保有水平耐力とする方法も可能だと思われます。

よって、仮定断面の段階で接合部の検討を考慮することが重要です。『RC造で接合部破壊とならない柱・梁の仮定断面を決める方法』も参照して下さい。


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