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壁式構造で偏心率がNGの場合に
総曲げ抵抗モーメントの確認で対処する考え方
Q.
壁式構造の設計において、偏心率がNGとなった時に、保有水平耐力ではなく、総曲げ抵抗モーメントの確認で対処してもよいのでしょうか?
A.
「壁式鉄筋コンクリート造設計施工指針」P9((財)日本建築センター)には、「学会のWRC基準書の『総曲げ抵抗モーメントによる略算的な保有耐力の算定』は、H13年国土交通省告示第1第二号の階高規定を免除する場合に限り適用する事が出来る」と記載されています。
また、『同告示第1第三号の耐力壁の水平断面積の規定や第6号第二号の必要壁量の規定を免除する場合にも用いる事が出来るが、この場合には終局時に耐力壁がせん断破壊しない事の確認をする他の制限が有ります』とも記載されています。
従って、偏心率がNGとなった場合に、総曲げ抵抗モーメントの確認では対処することはできません。
ただし、「壁式構造関係設計規準集・同解説(壁式鉄筋コンクリート造編)」P159((社)日本建築学会)には、「壁量、剛性率、偏心率、階高・建物高さの規定を満足しない場合、特別な配慮を要する設計を要するとともに、9条1項(総曲げ抵抗モーメントの確認)を行う」と記載されていますので、センター指針では不適であり、学会基準では条件付きで良い事になります。
事前に確認審査機関等に確認しておく事をお勧めします。
なお、総曲げ抵抗モーメントの確認については、弊社の「BUILD.壁式W+」ではVer.1.20以降で対応しています。
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