一次設計(許容応力度計算)と解析モデルの主な特徴 |
|
- 水平荷重時の応力解析モデルは、平均せん断応力度法と擬似立体解析から選択できます。
- 擬似立体解析では、以下の特徴があります。
- 耐力壁と壁梁の接合部のモデル化は接合部の大きさにより、パネルモデルまたは剛域モデルを採用し、パネルモデルはせん断変形を考慮します。
- 地震時水平荷重時のねじれを考慮した解析を行うことができます。
- 架構内で立面的に上下壁がずれて配置された場合においても、モデル化が行なわれるようにしています。
- パネルのひび割れ許容応力度計算も行います。
- 最下階壁脚の支点は、任意の位置に複数配置することができます。また、支点を解除することも可能です。
- 水平荷重時応力解析において、梁と壁の交点および梁と梁の交点の鉛直変位を同じ(節点の等置)にすることができます。
- 平均せん断応力度法では、ねじれ補正の検討と梁端応力の再配分(梁の曲げ戻し処理)が可能です。
- 長期壁梁の応力は、壁梁端左右を固定とし壁梁のCM0Q0より、壁梁端モーメント、中央モーメント、左右のせん断力を求めます。長期耐力壁の応力は軸力のみ考慮します。
- 計算フローは告示対応と学会計算規準対応から選択できます。
- 壁実長・壁断面積・床面積より、壁量・壁率の計算を行います。壁実長計算の際、最小壁厚さの検討を行います。
- 層間変形角≦1/2000の検討および剛性率・偏心率の確認を行います。計算フローを学会計算規準とした時は、剛性率・偏心率を満足しない場合、割増係数Feso等の計算も行います。
- 壁梁および耐力壁の断面計算を行います。基礎梁は地反力を考慮した断面計算も可能です。
- 断面計算では許容応力度計算の他に剛性率、偏心率を満足しない場合、部材の終局せん断耐力の確認も行います。計算フローを学会計算規準とした時は、割増係数Fesoを考慮します。
|
【擬似立体解析モデル図】
|
|
特別な配慮を要する設計 |
|
- 計算条件の設定により、学会計算規準の特別な配慮を要する設計に従い、総曲げ抵抗モーメントの確認を行います。
- 総曲げ抵抗モーメントが構造特性係数(デフォルト値0.5)とした必要保有水平耐力に相当する転倒モーメント以上であるかを検証します。
|
|
二次設計(保有水平耐力計算)の主な特徴 |
|
- 計算条件の設定により、擬似立体解析の荷重増分法で保有水平耐力計算を行います。
- 建物重量およびAi分布、形状係数(Fes)、構造特性係数(Ds)より必要保有水平耐力を計算し、建物の保有水平耐力が必要保有水平耐力以上であるかを検証します。
- 指定によりひび割れ剛性を考慮できます。
- パネルの終局耐力の確認を行います。
- 必要に応じて部材剛性の増減率を入力指定することができます。
- 建物崩壊の判定は最大層間変形角(デフォルト値1/200)により行います。利用者の指定により指定ステップで終了することもできます。
|
|
計算に関わる改正建築基準法(平成19年6月20日)への対応等 |
|
- 壁量の計算式変更に対応。【平19国交告第593号第二号イ(平19国交告第603号)】
- 保有水平耐力Qu算定と必要保有水平耐力Qun算定時を別々に指定できる機能を追加。外力分布も別に指定することが可能。【平19国交告第594号第四第一号】
- Qu算定時にせん断破壊で増分解析を止める機能を追加。
- 保有水平耐力計算における壁軸力の収斂計算処理を追加。
- 必要保有水平耐力Qun算定時にせん断判定用割増係数による部材せん断破壊の判定機能を追加。
|
|
準拠する基規準、参考文献等 |
|
- 建築基準法、同施行令、同関連告示
- (財)日本建築センター:「壁式鉄筋コンクリート造設計施工指針」
- (社)日本建築学会:「壁式構造関係設計規準集・同解説(壁式鉄筋コンクリート造編)」
- (財)日本建築センター他編集:「2007年版 建築物の構造関係技術基準解説書」
- (財)日本建築センター他編集:「2001年版 建築物の構造関係技術基準解説書」
- (社)日本建築学会:「鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説」
- (社)日本建築学会:「荷重指針・同解説」
- (社)日本建築学会:「建築基礎構造設計指針」
- (社)日本建築学会:「建築耐震設計における保有水平耐力と変形性能」
- (社)日本建築学会:「鉄筋コンクリート造建物の靭性保証型耐震設計指針・同解説」
- (社)日本建築学会:「壁構造配筋指針」
|