RC造で接合部破壊とならない柱・梁の仮定断面を決める方法
Q.
RC造の接合部の検討でNGとならないように、柱・梁の仮定断面を決める方法はありますか?
A.
以下のような方法が考えられます。
○設計者の皆様の経験から略算によって決める方法
1. |
終局時応力を求める訳ですから、一貫計算できる形の入力データを作ります。ここで、地震荷重にて重要度係数を利用して1.25倍しておきます。目標は保有水平耐力を計算して、接合部破壊をしない柱・梁断面を探す事です。 |
2. |
初期仮定断面の柱せい、梁せい、梁幅を、今まで自分が用いていた断面より10cm程大きくしておきます。梁せい制限を依頼主が出してきた場合は、理解を求めるか、柱幅と同じ梁幅は避けられないことを、事前に説明しておいた方がよいでしょう。なお、断面計算位置はフェイスとします。 |
3. |
これで一回計算を流して梁配筋も決定します。保有水平耐力でNGが出たら、重要度係数を1.0にして確認します。保有水平耐力がOKになったら、接合部を確認します。接合部にNGが出ていて、梁筋と保有水平耐力に余裕があれば、鉄筋本数を減らし、さらに余裕があれば、初期仮定断面を下げます。逆に多くの接合部にNGが出た場合は、コンクリート強度を調節します。(『RC造で接合部破壊となった場合の対策』の対策1.〜8.を考察して下さい)ここでの余裕率が大切ですので、よく確認をして下さい。 |
まだ、接合部にNGがある場合は、柱・梁断面を見直して、再度1.〜3.の工程を行って下さい。 問題が無くなれば、そこを仮定断面として基本設計を終了とします。
○純ラーメンRC造建物の断面仮定時における柱・梁接合部破壊の事前検討方法
(柱・梁 接合部のせん断破壊を防止する為に必要な柱・梁断面の仮定方法)
接合部を考慮した仮定断面を決める方法についての文献としては、「鉄筋コンクリート建物の最新耐震設計 」広沢雅也・梅田幹夫・奥薗敏文共著があります。
この検討は、柱・梁接合部せん断破壊時に相当する層せん断力係数Cjiを算出する式を用い、Cjiの値を梁曲げ降伏によるメカニズム時せん断力係数Cyi(Cyi≒Dsi)に対し、所定の余裕度を乗じた値以上とする式を立てて、これを満たすべき床面積柱倍率acを求め、acから必要な柱断面寸法を算出するという方法です。 |
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